Google DoubleClick for Publishers (DFP)のAPIを使う!基礎知識編
Google Doubleclick for PublishersというGoogleのサービスについて、何回かに分けて書いて行こうかと思います。
それなりにGoogleの日本語ドキュメントも揃っている状況ですが、これらは特に気にせず、自分が理解している範囲で書いていこうと思います。(とにかく日本語の情報が少ない状況なので、これを何とかしたいので!)
Google Doubleclick for Advertiserという広告主向けのものもありますが、こちらは詳しくないので割愛させていただきます。
Google Doubleclick for Publishers (DFP)とは
Google Doubleclick for Publishersは広告出版社・メディア向けの広告配信サービス(配信サーバ)です。これを使うと、特定の広告を特定のサイト・場所に特定の期間・特定のルールに従って配信する、ということができます。
どんな人が使うのか
例えば以下のような人・会社向けのサービスです。
- (巨大なPVを誇る)blogを運営しており、blogの特定の場所に広告を掲載する権利を販売している人
- 自社でメディア(ニュースサイトとか)を運営しており、そこに広告を掲載する権利を販売している会社
- blogを運営しており、広告枠の収益を上げる為に、そこに掲載する広告を動的に切り替えたい人 (アドネットワーク、アドセンスなどを動的に切り替えて、収益を向上させたい人)
例えばnanapiなんかは巨大なメディアを運営しているサイトです。実際にDFPを使っているようですね。
たった7つの施策でnanapiのPV単価が144%になった話
どんなサービスなのか
これについては実際の運用フローについて触れながら説明することにします。
以下のような想定で進めて行くことにします。
- 自社でメディア(サイトA)を運営している
- TOP画面の右上の広告枠に広告を1週間掲載し、100万インプレッション分表示する(100万回広告を画面上に表示する)という商品を売っている
- 顧客Aから受注を受けたので設定を開始する
まず、通常、顧客から受注を受ける前に広告ユニットというものを作成しておきます。
こんな感じで。
そうするとこの広告ユニットからタグが作成できます。
このタグを自分のサイトのTOP右上など、適当な場所に埋め込んでおきます。これで自分のサイトに特定の広告を表示する準備が完了しました。
次に顧客から受注した内容に従って設定を行って行きます。
まずは新規オーダーを作成して、以下のような感じで入力します。
次に期間やインプレッション数を入力します。
※自社サイトのPV数によっては指定したインプレッションに届かないことがあります。例えば上記の例だと1週間配信していますが、1週間経過すると広告が表示されなくなります。このとき10万インプレッション足りません、みたいなケースが発生したときはビジネスの契約次第です。契約次第でこのオーダーの期間を延長したり、顧客から受け取る金額を減算したりするなどします。
話がそれましたが、設定に戻って・・・
最後に最も重要と言ってよいターゲティング設定を行います。
ここではサイトAのTOP画面右上に広告を出す、という想定なので、その広告ユニット1つだけを選択しています。
ここまで入力したら一旦保存し、オーダーおよび広告申込情報を保存します。
次にクリエイティブ、つまり広告バナーを設定します。
クリエイティブ追加ボタンを押します。
ここからイメージを選んで、顧客から納品された広告画像を設定します。
ここでは適当に以下の様な画像を設定します。
広告をクリックしたときの遷移先URLも設定します。
(上記だとexample.comになっていて、これだとエラーになるのですが、)実際には顧客から指示されたURLを設定します。
これを保存して、最後に承認してやると準備完了状態になります。
この状態で配信開始時間が来ると配信が始まります。自社サイトのTOP右上に顧客Aの広告バナーが表示される訳です。
何が嬉しいのか
DFPはいわゆる広告の配信サーバです。これを自社で独自に開発しようと思うとなかなか骨が折れます・・・。
ところがGoogleはこれを月間9000万インプレッションまでなら無料で提供してくれています!(DFPスタンダード)
素晴らしいですね。
ちなみにDFPプロというサービスもあって、こちらは月間9000万インプレッション以上の巨大なメディア・会社用です。
他の機能
上記で説明した機能は全体の1/5程度です。実際にはもっと色々なことができます。
例えばターゲティング。上記の例では広告ユニットを1つだけ選択しましたが、実際には複数選ぶこともできます。また、広告ユニットをまとめてプレースメントとして保存しておくこともできます。
例えば自社サイトに100件記事があって、そのうち20件は不動産の記事だとします。この20ページに1つずつ広告ユニットを用意・張りつけしておき、その20件の広告ユニットをまとめた1プレースメントを作る、ということをしておくと不動産用プレースメントを作れます。
他にもAndroid, iOS, PCのどれか1つだけに配信したり、男性だけに配信する、というようなこともできます。
クリエイティブも複数登録できたりします。複数登録して、それぞれのクリエイティブ間で配信比重を変えることもできます。
他にもレポート機能やアカウント管理機能もあります。
まとめ
- Google Doubleclick for Publisher
- 略してDFP
- 広告を配信する人向けのサービス
- GUIで期間やインプレッション数、クリエイティブを設定して配信
今回DFPを操作して1つのオーダーを作成しましたが、実はこれはDFPが提供しているSOAP通信のAPI(ライブラリ)を通じて実行することができます。
次回以降、これについて触れて行きます。