Ad Engineering Summitに出席してきました
アドテクノロジーに関する有料のサミットです。出席させてくれた会社には感謝してます。
自分はアド業界に入ったのは2014年5月からなので、まだまだ初心者です。色々分からないことも多かったですが、知ってること、理解できることもあったりして。なかなか勉強になったのではないかなと思います。
聞いてきたもの一覧
1日目
- 世界で活躍するスペシャリストの豪華セッション!
- アドテクの進化とこれから
- スマートフォン広告の進化と展望
- デジタルマーケティングを支える技術とその未来
2日目
- アドテク人事論
- ゲームアプリの新分析手法
- スマートフォンアプリの再エンゲージメントを高めるアプリ内広告の仕組み
- 決済サービスが変える広告の未来
- アドテクノロジー・インフラへクラウドを120%使い倒す方法
- アドテクで利用されるAWS
感想とか
世界で活躍するスペシャリストの豪華セッション!
当然と言えば当然ですが、問題提起が多くて「じゃあ実際にどう解決するか」とか「うちではこうやってる」的な話はありませんでした。
「広告フォーマットが増えて広告主が対応できなくなるのではないか」という話は気になりました。広告フォーマットが増えたとき、広告主が対応するのか、広告代理店が対応するのか、メディアのコンサルが担当するのか、などどこに負荷がかかるのかは気になるところです。何にせよ広告主がクリエイティブを作るので、各フォーマットに対応できなくなるというのはありそうです。どう解決するんだろうか。
「フラグメンテーション」の話も興味深かったです。今のアドテク業界ではかなり重要な話ですね。PC、スマホ、会社のPCあたりのユーザを特定して繋げられたら、各端末で同じ広告を出せる(デバイスを超えてリタゲできる)とか。何社か実現してる企業もあったりするようです。とは言え、技術的に完璧に結びつけるのは無理だったりするので推論でやってるとか何とか。正直3rd party cookieを受け入れないとか詳しく知らないので完璧に理解できませんでしたが気になるところではあります。
デジタルマーケティングを支える技術とその未来
BrainPadという会社のセッションでした。
初めはレシレコというレシートで家計簿が付けられるアプリを作っていたけど、方向転換してアドテクの方にしたとか?
レシレコの利用規約がどうなっているか分かりませんが、レシレコで取ったデータ分析して、後はユーザIDを他のテクノロジと連携できたら広告サービスとしてはかなり優位に立てるのかな?と思いました。そこら辺の内情どうなってるんだろう。
BrainPadはデータ分析の会社というイメージが強いそうですが、実際はソリューション提供やプラットフォーム提供もしているとか。色々勉強になりました。
アドテク人事論
どう採用し、育成し、評価するか、についてです。私も最近アドテク業界に採用が決まった訳で、各社がどういう考えなのか興味深かったです。
ヤフー、VOYAGE、フリークアウト、サイバーの4社が出ていて、もちろん各社とも考えが違ったりするんですが、大まかにこんな感じでした。
採用
同業他社(アド業界の人)を採用したいけど、なかなかいないのでアドテクに興味のある人を採ったり、エンジニアリング力が高い人を採ったり、インターン経由で採ったり。
育成
チャレンジングなことや楽しいこと、少し高めのハードルを与えて伸ばす。エースに次期エースを見つけてもらい、育てる。お客様に迷惑がかかりそうな部分ではリスキーなことはしないけど、そうでない部分ではどんどん新しい技術を使って行く。など。
評価
実績評価(ビジネスとして成果を出したか)と能力評価の2軸など。能力評価はエンジニアだけでやったり。確かにエンジニア同士で仕事するとこいつは確かに凄いとかこいつは普通とか分かったりします。エンジニアだけで能力評価するのは良いかもしれないです。(結局能力高い人はビジネス面で成果残すし2軸でも結局は同じ的な話もありました)
ゲームアプリの新分析手法
一番面白いセッションでした。テーマはアドテクとは違いますが。ただ、最適なユーザを特定するというような部分はアドテクと同じですね。
パズドラが流行るとパズルゲーム全体が流行るので、他のパズルゲーム開発者は自分たちの施策が上手く行ってると勘違いしやすいとか。DAU(Daily Access User, 一日にアクセスしたユーザ)という指標があるけど、これを1日連続のDAU〜7日連続のDAUまで分けて(段階的に)グラフ化見るべきだとか。このとき、DAU7日連続の領域にいるユーザが全体売り上げの5割以上を担ってるとか。
ARPU(Average Revenue Per User, ユーザごとの課金額)をレベル別で見たときLv.1 30円、Lv.5 20円、Lv.10 10円とかだと健全な状態じゃないとか。確かにユーザがゲームをやるほど儲からなくなって行く状態ってどうなのって感じです。
こんな感じの話が続いて、データを集めて統計取るだけでなく、2軸で見る的な分析が必要なようです。
ちなみに5Rocksはソーシャルゲームとかに5Rocksのタグを埋め込むことでユーザの行動をトラッキングできるようにする製品だそうです。上記のLvごとのARPU求めたりするのに使えるようなので、自分たちの作ったゲームの状態知るには良いツールですね。
決済サービスが変える広告の未来
Coineyの社長の話です。
日本の中小企業ではあまりクレカ導入が進んでいないんだとか。クレカ導入したところで、クレカ会社は購入商品の内訳までは知らないんだとか。
中小は会計するときにレジか電卓を使うけど、そのレジはネットワークにつながっていないとかなんとか。
今後はレジとかECのショッピングカートあたりが盛り上がってきてどんどん情報取れるようになるとアドに生かせるようになるのかな。そこでも個人特定の問題とか色々障壁はありそうですが。
ちなみに従来のクレカは決済手数料が5, 6%と高く、Coineyは3%ほどと安いようです。Coineyもクレカで決済するので端末が必要ですが、それの導入スピードや機材代もダントツで安く、そこら辺で勝負しているようです。
しかし決済手数料が3%ってどうなんでしょう。小売りとか飲食は3%でもきつくて、結局そこが参入障壁なのかなーと勝手に想像しています。ただ高額な製品売ってるところは問答無用でクレカ決済などの仕組みは入れないとダメなんじゃないかと思いますが・・・。前にECサイトと店頭両方でクレカが使えなくて、じゃあ他店で買うわ・・・ということがありました。
アドテクで利用されるAWS
トラブル事例的なものとか聞いてて参考になりました。
AZ(Availability Zone)をまたいだスケーリング(またはレプリケーション?)でネットワーク帯域足りなくなって全体の性能落ちたことがあったりとか。データセンター使うと撤退時にも金がかかるけど、AWSはいらないので良いとか。Redshiftはテーブル設計が命で、それ次第でクエリの速度が数十〜数百倍違ったりとか。
全体感想
上記のような感じでがっつりアドの話もあれば決済やゲームの話もあったりして飽きずに楽しめました。
ネットワーキングの時間もあったのですが、展示やってる人以外には絡みづらかったです。一応何枚か名刺交換できたので、何かあるときは協業したりしたいです。
今後も色々話聞いたりしてアドから少し離れた部分まで視野広げると共にアドテクの内部まで詳しくなって行きたいです。